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一般的に知られていないことですが、むし歯は風邪につぐ一般的な病気です。むし歯は、一定の水準以上まで進行致しますと、それよって失った歯が再生することはありません。
そのため、治療によってむし歯の進行を止め、歯を保存し、合併症を防ぐことが重要です。
また、むし歯になってから歯科医院に行くのでなく、むし歯にならないよう歯科医院に行く、という予防中心の治療を目指し、皆様が一生健康な歯でいられるよう、定期検診をお勧めします。
むし歯は初期から抜歯に至るまで進行した状態まで様々な段階に分かれます。特に、歯の神経(冷たい、温かいなどの知覚に関与)を残せるかどうかが重要です。
当院においても、最近は可能な限り「歯の神経」を残すように努めています。「歯の神経」を取らなくてはいけない状態ですと、治療回数もかかり、また歯質がもろくなるという欠点が生じます。
神経(歯髄)を保存するために、むし歯予防、定期検診をおすすめします。
(写真右:むし歯の原因菌の中でも主役のミュータンス連鎖球菌)
痛みはほとんどないですが、エナメル質と呼ばれる歯の表面が少し黒くなります。自覚症状がほとんどありませんので、この状態で自分でむし歯を発見するのは難しいです。
エナメル質から象牙質まで、むし歯が進行している状態です。症状は冷たいものがしみる程度で、この状態でしたら治療はおおよそ3回以内で終わることが多いです。
冷たいものだけでなく温かいものもしみます。この状態から「むし歯かな」と自覚する人が多いようです。また、見た目にもはっきりと歯に穴が開いていることがわかります。
歯の神経が死に、痛みを感じなくなります。痛みが消えることで、むし歯に関心がなくなり放置する人もいますが、その間にもむし歯は着々と進行しています。この段階だと歯を抜かなければならない確率が高くなるので、お早めに治療してください。
「むし歯の痛みを経験したくない」「口臭が気になる」など、お口の中の健康に不安をお持ちの方は以外とたくさんいらっしゃいます。
社会的にも治療から予防、健康管理が大切であるという価値観が常識になっています。
医療技術は世界でもトップクラスですが、まだまだ予防管理については先進国の中でも最低クラスです。
各人のお口の中の状態はそれぞれ違いますので、現状を把握し、むし歯や歯肉炎など無縁になるようにお勧めするのが予防歯科です。
病気は治さなければいけませんが、歯の治療の特徴は、もとに戻るのではなく、人工の材料を使って治療をする、また歯周病は進行を食い止めるに過ぎません。
また、痛みや症状が出てからは手遅れというものが非常に多いんです。そのために痛い思いをしたり、お金や時間を費やすことになるのです。
多少の時間と努力は必要ですが、痛みやその他の不快感を感じず、将来的な出費も押さえることができます。
何よりも好きな食べ物をおいしく、自分の歯で一生食べることができるのです。
もちろん乳歯のときから予防に努めたほうが良いのですが、いくつからでも遅いということはありません。ただ、できるだけ早くのほうが良い結果を残せます。
飲食をすると、プラーク中のpH(ペーハー)は酸性に傾き、脱灰がはじまりますが、しばらくすると唾液の働きにより再石灰化されます。
間食回数の多い食生活では脱灰の時間が長く、再石灰化の時間が短くなり、むし歯の危険性が増大します。
寝る前の飲食は最も危険!!
寝ている間は、口の中の唾液の流れが弱いので、再石灰化が不十分となり脱灰が続くためです。
フッ素を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶(アパタイト)の一部になります。フッ素を含んだ歯の結晶は、普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなります。
ですから、フッ素を適切に使うと、歯の表面が強くなり、むし歯になるのを防ぎます。また、歯のエナメル質のまわりにフッ素があると一度脱灰した部分の再石灰化を促進し、エナメル質の補修がしやすくなります。
いろいろな考え方があると思います。年齢や目的によって使い分けたら良いのではないでしょうか。以下の利点、欠点を踏まえて使用するかどうか決めてください。